公認心理師2022年7月試験CBT模擬試験
2022_07_081
感情が有効な手がかりになる際には、判断の基盤として感情を用いるが、その影響に気づいた場合には効果が抑制されると主張している感情に関する考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
① 感情情報機能説
② 認知的評価理論
③ コア・アフェクト理論
④ 感情ネットワーク・モデル
⑤ ソマティック・マーカー
この問題は、感情にまつわる理論に関するものです。
① 感情情報機能説
判断における気分一致は、気分や感情そのものを手がかりとして生じる(気分や感情に一致した知識の活性化が影響してのものではない)とする考え方。同説の考えでは、感情が情報価値を有さなくなった場合には、効果が減じることとなる。設問の考え方がこれに該当しており、適切。
② 認知的評価理論
認知的評価が感情や意欲に影響を及ぼすとする考え方の総称。ストレスや動機づけに関する研究の中で提唱されている。認知的評価が感情の生起に先行すると考えることから、設問の考え方に一致せず、不適切。
③ コア・アフェクト理論
原初的、根源的な感情状態(非内省的に生じるが、意識化することも可能な神経生理学的状態)であるコア・アフェクトを想定し、その時々のコア・アフェクトに対して、個々人の認知的解釈などが加わって、主観的な感情現象が生じるとする考え方。設問の考え方に一致せず、不適切。
④ 感情ネットワーク・モデル
同モデルは、判断対象に対して想起される知識や考え方が、感情状態に一致するように影響される過程は説明するが、その影響に気づいた際の効果抑制は説明できない。設問に一致せず、不適切。
⑤ ソマティック・マーカー仮説
意思決定において、情動的な身体反応が重要な信号を提供するという仮説。設問の考え方とは異なるものであり、不適切。