公認心理師2022年7月試験CBT模擬試験

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23歳の女性A、会社員。高校時代にわいせつ行為の被害に遭った。大学卒業後、会社員となったが、今年の社員旅行の際に、仕事の関係者から性行為を強要されそうになり、何とかその場から逃げ出したものの、帰宅後に強い心身の不調を自覚した。その後3か月経っても症状が改善しないため、精神科受診に至った。同じような悪夢を繰り返し見ることが続き、よく眠れない。「このような被害に遭うのは、私が悪い」、「自分は駄目な人間だ」と話す。Aの状態像を把握することを目的に、公認心理師が行う可能性のある心理的アセスメントとして、最も適切なものを1つ選べ。

① CAPS
② DN-CAS認知評価システム
③ JDDST-R
④ KABC-Ⅱ
⑤ TEG

この事例問題は、事例の病態を理解し、それに適した検査が選択できるかを問うものです。特にPTSDの理解と把握につながる検査が選択できるかが問われています。

 CAPS
CAPSとは、PTSD臨床診断面接尺度のことであり、PTSDなどトラウマに関するアセスメントである。本問ではトラウマティックな出来事から不眠(過覚醒)や否定的信念、悪夢などが生じてきているため、最も適切といえる。
 DN-CAS認知評価システム
DN-CAS認知評価システムとは、5歳~17歳11か月の子どもの認知処理について評価する検査である。23歳の女性であり、不適切。
 JDDST-R
JDDST-Rとは、改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査のことであり、生後16日から6歳までに行われる発達のスクリーニング検査である。よって、不適切。
 KABC-II
KABC-Ⅱ とは、A.S.Kaufmanらによって作られた子どもの知的能力を認知処理の側面と知識や技能の習得度の側面から評価する検査の第二版で、2歳6か月から18歳11か月までに用いられる。よって。不適切。
 TEG
TEGとは、東大式エゴグラムの略で、E.Berneによって作られた交流分析をもとにした検査で、J.D.Dusayが作ったエゴグラムが、東大によって日本版に標準化された性格検査である。ここでは正確を査定する段階ではないため、不適切。